こんにちは!
今回は穏やかな香りと美しい花で知られるカモミールについてご紹介いたします。
カモミールは、消化不良、不安、睡眠障害などを和らげるための民間療法として使用されてきました。特に、カモミールティーはそのリラックス効果でよく知られています。
そんなカモミールの「育て方」から「病害虫対策」「収穫方法」「増やし方」までをご紹介いたします。
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カモミールの種類
カモミールは主に二つのタイプがあり「ジャーマンカモミール」と「ローマカモミール」です。
- ジャーマンカモミール: 一年草で、自己播種することがあります。花はハーブティーに使用されることが多いです。葉や茎は香りがないため、ハーブティーには不向きです。
- ローマカモミール: 多年草で、地面を這うように広がります。しばしばグランドカバーとして使用されます。ハーブティーとして利用すると苦味が強いためあまりおすすめできません。
油分が多いため花を精油して利用したり、芳香剤や入浴剤としての利用がおすすめです。 - 注意点:カモミールはアレルギー反応を引き起こす可能性があるため、キク科植物にアレルギーがある人は注意が必要です。
育て方(露地)
種まき・植え付け
- 時期: 北海道では、5月中旬から6月初旬にかけてが種まきに適した時期です。また、室内で苗を育て始める場合は、4月初旬から中旬に種をまくことができます。植付も5月中旬から6月初旬が適しています。
- 方法: カモミールの種は非常に小さいため、土の表面に直接まき、軽く土を被せるか、またはそのままにしておくことが推奨されます。種が光を必要とするため、土で覆い過ぎないように注意してください。
植付は5月中旬から6月初旬にする(発芽適温は15度~20度)
種は光が必要なので土は軽くかける
土づくり
- 土壌: カモミールは肥沃でよく排水される土壌を好みます。pHは中性からやや酸性が理想的です。土壌が重い場合は、砂や腐葉土を混ぜて改良し、水はけを良くしましょう。
- 日当たり: 日当たりが良く、風通しの良い場所を選んでください。カモミールは直射日光を好みますが、午後は軽く日陰になる場所が理想的かもしれません。
水やり
- カモミールは乾燥に比較的耐性がありますが、特に発芽期と若い苗の段階では、一定の水分が必要です。土の表面が乾いたら、たっぷりと水やりをしてください。
- 植物が成長するにつれて、水やりの頻度は減らすことができます。過剰な水分は根腐れの原因になるため、水はけの良い土を確保することが重要です。
植付初期は乾いたら水やり
成長後は根腐れ防止のために水やりは少なくする
肥料
- 過剰な施肥は避けてください。植え付け時に堆肥や腐葉土を土に混ぜ込むことで、植物の成長に必要な栄養を提供することができます。
間引き
- 間引き: 発芽後、苗が密集している場合は間引きを行い、株間を15~20cm程度に保ってください。これにより、風通しを良くし、病気の予防をすることができます。
育て方(プランター)
プランターの選び方
- カモミールの根は広がるため、根が十分に伸びられるように幅が広めのプランターを選びましょう。深さは20cm程度あれば十分です。
- 排水穴があるプランターを選ぶことで、水はけを良くし根腐れを防ぐことができます。
土づくり
- カモミールは排水性の良い土を好むため、一般的な園芸用土にパーライトやバーミキュライトを混ぜて使用します。これにより、土壌の通気性と排水性が向上します。
- 土壌のpHが中性からやや酸性であることを確認してください。必要に応じて、土壌のpHを調整します。
おすすめの培養土
種まき・植え付け
- カモミールは種から直接育てることができます。種をまく際は、土の表面にまんべんなく撒き、軽く土で覆います。種は光を必要とするので、深く埋めないようにしましょう。
- 苗を植える場合は、プランターに十分な間隔を空けて植え付けます。根を傷めないように、優しく扱ってください。
種は深く埋めない(カモミールの種は光が必要)
株間は15cm~20cm
水やり
- カモミールは乾燥を好みます。土が完全に乾いたらたっぷりと水を与えます。プランターの場合は、特に夏場は水分の蒸発が早いので、定期的に土の湿り気をチェックが必要です。
- 水はけが良い土とプランターを使用していれば、過水や根腐れの心配は少ないですが、水やりの際には底から水が流れ出るのを確認しましょう。
日当たり
- カモミールは「日光を好む植物」です。プランターを直射日光が6時間以上当たる場所に置きましょう。プランター栽培の利点は、植物が必要とする光の量に応じて、容易に場所を移動させられることです。
病害虫対策
害虫
- アブラムシ:小さな緑色や黒色の虫で、植物の汁を吸い取ります。弱った植物はアブラムシの被害を受けやすくなります。 弱い石鹸水で洗い流すか、手で取り除くことが効果的です。また、アブラムシの天敵であるテントウムシを誘引することも有効です。
おすすめの殺虫剤
病気
- 灰色カビ病: 湿度が高い条件下で発生しやすく、灰色のカビが植物の茎や葉、花に生えることが特徴です。通風を良くし、植物が密集しすぎないようにすることが重要です。感染した部分は速やかに取り除き、適切な殺菌剤を使用することが効果的です。
- 根腐れ:過剰な水やり、排水不良の土壌で発生しやすい病気で、根が腐り植物の成長が阻害されます。土の水はけを良くし、定期的に土の状態をチェックして、水やりの量を適切に調整します。
おすすめの殺菌剤
収穫方法
収穫のタイミング
- カモミールの花が開き始めが収穫に最適なタイミングです。(花が咲いて2~3日後)この時期に収穫すると、最高の香りと薬効を持っています。
- 朝の早い時間に収穫することをお勧めします。露が乾いた直後の花は、香りが最も強く、水分が少ないため保存に適しています。
収穫方法
- 花の茎を軽く持ち、はさみで花の下の短い茎を切り取ります。可能な限り茎は短くすると、乾燥が早く進みます。
- 花はハーブティーとして利用しますが、葉や茎は入浴剤や芳香剤として利用します。使用用途が異なるため分けて収穫することをおすすめします。
乾燥方法
- 収穫した花は、通気性の良い場所で乾燥させます。直射日光を避け、風通しの良い影のある場所が理想的です。
- 花を薄く広げ、乾燥させます。完全に乾燥するまでには数日かかることがあります。
- 完全に乾燥したら、密閉容器に入れて冷暗所で保存します。適切に保存されたカモミールは、数ヶ月間その香りと効能を保つことができます。
増やし方
種まき
カモミールは種から簡単に育てることができ、外気が暖かくなってから直接地面に蒔くか、室内で苗を育てることから始めます。
- 室内での種蒔き:外に苗を定植する約6-8週間前に始めると良いでしょう。カモミールの種は小さいので、土の上に軽くまくだけで十分です。種は土で覆い隠さずに薄く土をかける程度にしてください。
- 屋外での種蒔き:気温が高くなった春に直接屋外に蒔くことができます。日当たりと水はけの良い場所に種まきをします。種は土で覆い隠さずに薄く土をかける程度にしてください。
- 基本はこぼれ種:カモミールは花から種がこぼれ落ちて繁殖します。そのため、基本的にはそのまま放置しておけば増やすことが可能です。
最後に
カモミールは、甘く穏やかな香りが特徴のハーブで、リラックス効果や消化促進の効能があります。ジャーマンカモミールの乾燥花を使ったハーブティーとして人気があり、就寝前の一杯に最適です。また、カモミールは肌に優しいため、スキンケア製品や自然派化粧品の成分としても用いられます。さらに、軽い炎症を抑える効果があるため、自然療法での使用も推奨されています。
そんなカモミールの栽培方法をご紹介いたしました。
この記事が皆さんのお役に立てば幸いです。
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